会長あいさつ

このたび、静岡県PTA連絡協議会の会長を拝命することになった宮下修一(みやした・しゅういち)と申します。所属は、静岡市PTA連絡協議会(静岡市立南中学校PTA)です。正直なところ、このような大役を本当に務めることができるのだろうか、という不安にかられておりますが、一生懸命務めてまいる所存です。

さて、2020年の初め、突然われわれに襲いかかった新型コロナウィルスは、私たちの生活はもとより、PTA活動にも大きな影響を及ぼしました。緊急事態宣言やまん延防止重点措置が相次いで行われる中で、PTA活動も中止や延期、あるいは規模縮小を余儀なくされました。子どもたちのために何かしてあげたい、でも何もしてあげられない、そういう悔しい思いをされた方も多かったのではないでしょうか。

しかし、そのような中でも、子どもたちのために何かできることはないか、そうした強い思いの中で、みんなで知恵を出し合いながら、例えば、感染対策を十分にとった上での野外でのイベントやオンラインを駆使したイベントなど、各地のPTAで創意工夫を凝らした活動が行われてきました。

時間を経るにつれ、私たちを苦しめてきたコロナ禍の勢いは次第に弱まり、もちろんまだまだ警戒は必要ですが、本年5月8日には、新型コロナウィルス感染症のレベルが2類感染症から5類感染症に引き下げられました。これによって、PTA活動に対する制約も、かなり緩和されることになりました。
ただ、3年にわたるコロナ禍における制約は、子どもたちはもちろん、保護者がコミュニケーションをとる場を奪うことにつながりました。その結果、PTA活動についての理解がなかなか得られず、昨今は、PTA活動だけではなく、PTAに対する厳しい声も数多く聞かれるようになってきました。そうした声の中には、PTA活動に関する理解が十分に得られていないことが原因だと思われるものも少なくありません。

だからといって、こうした声を排除すべきなのかというと、決してそうではありません。むしろ、その声を正面から受け止めながら、PTA活動の意義を改めて確認し、そしてその意義を共有する場を作っていかなければなりません。そのためには、まずはコミュニケーションの場を設定し、子どもたちにとって大事なことは何か、そして子どもたちのために何ができるかを考えていく機会を積極的に創(つく)ることが必要です。

そんな思いを込めて、令和5年度・6年度の活動方針は、「家庭・学校・地域が連携し、ともに子どもを育むPTA活動の推進~コミュニケーションを重ねて新しいPTA活動の形を創り出そう~」を掲げることにいたしました。
県P連自体は、子どもたちと直接触れあう機会をなかなかもてません。ただ、実際に子どもたちを向き合っている各学校のPTAのみなさんは、きっと多くの悩みを抱えているはずです。そして、各学校のPTAを支える各地区P連のみなさんも、きっと多くの悩みを抱えていると思います。県P連は、ここにお集まりの各地区P連のみなさんがそんな悩みを共有しながら、みんなで知恵を出し合い、それを各地区に持ち帰って各学校のPTAに還元するための場にほかなりません。そして、会長としての私の役割は、そのような場をしっかりと設定して、静岡県下全体に目配せをしながら、子どもたちのために何ができるかを考えていくきっかけを生み出すコーディネーターであり、かつ、その場で活発な議論を誘導するファシリエーターだと心得ております。

とはいえ、広い静岡県の中で、私ができることはごくごくわずかなことに過ぎませんし、私1人だけで何かができるわけでもありません。県P連の活動は、そこに参加して下さるみなさまのお力があって初めて可能になります。どうか力を合わせて、子どもたちのために何をすべきか、何ができるかを、真剣に、しかし楽しく考えていきましょう。
2年間、どうかよろしくお願い申し上げます。